赤毛のアンと10月

読書

先日ブログに書いたように『赤毛のアン』を読んでいます。

『赤毛のアン』は孤児院からプリンス・エドワード島の村、アヴォンリーのマシュウとマリラ兄妹の元へやってきた少女アン・シャーリーのお話です。

物語冒頭を簡単に紹介すると…

兄妹は二人とも男の子をと希望していましたが手違いで11歳の少女が連れてこられたので、マシューは困り、マリラは孤児院へ返そうと考えます。

しかし翌日にはアンを引き取って育てることを決め、そこからアヴォンリーでの三人暮らしが始まります。

物語の舞台、カナダのアヴォンリー村は豊かな自然でいっぱいです。

この本にはそれを目にしたアンの生き生きとした表現がふんだんに散りばめられています。

今の季節にぴったりの文章を紹介します。

少し長いですが、第16章から引用します。

窪地の樺は日光のような黄金色に変わり、果樹園の裏手の楓はふかい真紅の色に、小径の桜は言いようもなく美しい濃い赤と青銅色の緑に染って、その下にひろがる畑をも照りはえらせていた。アンは自分をかこむ色彩の世界を思う存分に楽しんだ。…中略…「ああ、マリラ、世界に10月という月のあることが、あたし、うれしくてたまらないわ。もし9月から、ぽんと11月にとんでしまうのだったら、どんなにつまらないでしょうね……」

L・M・モンゴメリ/村岡花子訳『赤毛のアン』

楓や桜の葉などが紅葉して綺麗だなと思うことはありますが、それぞれの植物のことやその色に対してそこまで目を向けたことがなかったことに気が付きました。

この色は何に似ているかな?

これは○○色かな?

と考える味わい方があるのもいいなと思いました。

あとは今の自分を俯瞰で見つめてみて、自分は今、どんな世界に囲まれているんだろうって考えてみるのも何だか良さそう。

今年の10月はアンと一緒に、”自分を囲む色彩の世界”というものを少しは楽しめたのかなと思います。

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